2025年09月26日 1888号
【軍拡に抗し 住み続けられる島をめざす与那国島/じゅごん茶話会(SDCC)が沖縄報告会】
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9月13日、大阪市でじゅごん茶話会(SDCC〈ジュゴン保護キャンペーンセンター〉)が与那国島・沖縄島報告会を開いた。月1回行う茶話会の有志を中心に4年前から6月「慰霊の日」を挟んで沖縄を訪問しており、与那国島は昨年から。メディアではほとんど報じられない与那国の現状を、参加者の一人、古武家育子さんが報告した。
「今年は地元の方とつっこんだ話ができた。自衛隊家族の新築住宅と補修もされない町営住宅。住民生活が置き去りにされている様子が目立つ。ZENKOスピーキングツアーでも話された畜産農家、小嶺博泉さんは『80年前の戦争被害も受忍論≠言って、対応しない。有事には1700人の島民が1日で佐賀県に避難。家畜は置き去り。民の命をないがしろにして何が国か』と訴えていた」と島民の思いを紹介した。
2005年につくられた「与那国自立ビジョン」が島民に共有され、移住者のルポライター西村仁美さんが立ち上げた「よなぐにラジオVOICE(仮)」で、町長選の公開討論会を放送するなど、町民の声を集める活動が盛んになっているという。
8月に当選した上地常夫町長は「自衛隊だけの島にはしたくない。住み続けられる島を」と訴え、今年度末で医師が不在になる診療所の問題も県立として医師派遣継続を探る。町議補欠選挙で小嶺さんも当選した。
9月の日米共同訓練に反対し、市民団体「与那国島の明るい未来を願うイソバの会」も訓練前から「ミサイル基地など標的になるものを島に持ち込まないで」「平和交流が一番の抑止力」と訴え、ハイマース(高機動ロケット砲システム)持ち込みが阻まれ、規模が縮小されたと地元紙が報道している。
「訪問後の動きを見ても、モノが言いづらい空気が、声を出せるようになった大きな変化を感じた」と古武家さんは語る。
報告会では、伊江島や辺野古、ハンセン病の国立療養所・沖縄愛楽園など、思いのこもった話が続いた。
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