2025年10月24日 1892号

【議会を変える/東京都足立区議 土屋のりこ/認知症サポーターを取得】

 9月は認知症月間。前々から「受けてみたい」と思っていたサポーター養成講座をようやく受講し、私も認知症サポーターとなった。

 その心は、というと、今マンション管理組合の理事長を務めているのだが、区分所有者に「そうかも?」と思(おぼ)しき方がおられること。また、私の前理事長さんも「そう」だったため、マンションとしても認知症を正しく理解し、地域包括支援センターと連携をとっていくことが必要だろうとの思いからだ。

 理事会で話し合っても、前理事長さんの言動がつじつまが合わなく「あれ?」と皆少し不思議に思っていたと、後になって聞いた。以前は保育士をされていた方で、私や子どもに温かなまなざしを向けてくださっていた。けれど、とっくに退職しているのに、4月入園式頃になるとセレモニースーツを着込んで昔の職場に行ってしまったり、最後の頃は、出かけると自分のマンションがどれかわからない様子で周囲をうろうろされていたこともあった。

 「おそらく認知症ではないか」と心配し、理事会を代表して地域包括支援センターに問い合わせると、その頃すでに包括センターが関わっていたことが判明。議員なので個人情報の提供を受けられたが、一介のマンション管理組合では適切に状況把握が進まなかったかもしれない。

地域でチーム組み連携へ

 超高齢化社会となり、私たちの身の回りに認知機能が弱くなっている方やご本人も認識していない認知症の方もおられるかもしれない。周囲が認知症のことを理解し、疑われる場合に適切に対応して地域の中の様々な資源と連携をとっていくことが重要だ。

 もう一人、「そうかも」と思われる方が区分所有者におられ、区外在住なのだが、足立区の福祉まるごと相談課の福祉職の方と共に面談に行き、滞納されている管理費をどうしていくのか話し合いをおこなうことになっている。

 単身独居高齢者が安心して暮らしていくために、近隣居住者や病院、スーパーなども含め「チームオレンジ」と呼ばれる認知症サポーターがチームを組み支援等をおこなう仕組みをつくりあげ、認知症に対して正しく理解し、地域の人々の温かなまなざしのもと安心して暮らせる地域づくりをおこなっていきたい。
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