2025年10月24日 1892号
【みるよむ(747)/2025年10月4日配信/ガザの虐殺を止め社会を変革しよう/―ラシーダ・タレイブ議員のDSA大会基調演説】
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8月8日、DSA(アメリカ民主主義的社会主義者)大会で、DSA所属のラシーダ・タレイブ連邦下院議員が「アメリカの変革は常に私たち自身から生まれる」と題した基調演説を行った。ガザ、パレスチナの虐殺を許さない闘いと、民主主義的社会主義への社会変革を力強く訴えた。今回は、その姿を配信する。
同議員はデトロイトでパレスチナ移民の両親のもとで生まれ育ち、「人種差別と資本主義的な搾取の根深い政策によって家族が『生き延びる』ことを強いられる痛み」を体験した。黒人など反差別の闘い、労働者の闘いが高揚し、父親もUAW(全米自動車労組)の組合員として闘った。タレイブは「ファシズムを打ち倒す都市があるとすれば、それは私の生まれ故郷デトロイト」と述べる。
タレイブは連邦議会で、イスラエルと米国によるガザ、パレスチナへのジェノサイドと占領反対の最先頭に立つ。殺人兵器で儲ける軍事産業と結ぶ議員が多数の中、徹底して追及する。ネタニヤフ首相が、ガザ全住民を追放し恒久的に占拠する計画を公表したことを「ジェノサイドの最終段階だ」と厳しく批判する。
タレイブは「反戦と反富裕層が連携し…富裕層に“クソ”ほど課税しろ!」という人びとの叫びに耳を傾け、民主主義的社会主義が人びとの生活に持つ意味を語る力を身につけなければならないと訴える。
自身がそれを自らの選挙戦で実行した。2018年の下院選予備選で、タレイブは900票差で勝利。民主党の既得権勢力に打ち勝った力は「5万3000軒の家をノックした」ことにある。「人間のつながり」をつくり、市民の苦しみと要求をくみ上げ、国民皆保険や福祉拡充、富裕者増税など社会主義につながる政策への支持を広げたのだ。
「ワシントンD.C.ではなく、地域の中にこそ本当の力がある」。議員の確信と実践を、日本の私たちも共有して進んでいきたい。
(イラク平和テレビ局in Japan代表・森文洋)
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