2025年11月14日 1895号

【1895号主張/日米で戦争推進たたえあう/国際連帯で戦争勢力追放だ】

おぞましい日米の戦争屋

 高市首相は、米国、韓国、中国との首脳会談を終えて「成果」を宣伝した。しかしその内実は、東アジアの緊張を激化させ大軍拡を進めるきわめて危険なものだ。

 高市は、10月28日の日米首脳会談にあたり「日米同盟の新たな黄金時代をトランプ大統領とつくりたい」と述べた。会談では「日米同盟はインド太平洋地域の平和と繁栄の礎(いしずえ)…その更なる強化は、日本の外交・安全保障政策の最優先事項」「日米比、日米豪印といった地域の同志国ネットワークを強化する」とし、「台湾海峡の平和と安定の重要性」を確認。「防衛力の抜本的強化と防衛費の増額に引き続き取り組む」と軍事費GDP比2%達成からそれ以上の軍拡を明言した。

 トランプと高市は、横須賀の米原子力空母上で日米兵士を前に「力による平和」「最も偉大な同盟」とたたえあった。異常な好戦的姿を世界にさらしたのだ。

緊張かきたてる日米韓

 続く韓国でのAPEC(アジア太平洋経済協力会議)では、韓国、中国との首脳会談が行われた。

 李在明(イジェミョン)韓国大統領とは「日韓関係を未来志向で安定的に発展」としたが、狙いは軍事を含めた日米韓一体化の推進だ。中止されたものの、両政府は韓国空軍機が那覇基地で給油する史上初の計画まで立てていた。

 日中首脳会談で、高市は「台湾海峡の平和と安定の我が国を含む国際社会にとっての重要性」とあえて強調した。その瞬間も「台湾有事」想定の過去最大の統合演習を続け、中国と対峙する姿勢を示した。「中国の脅威」を口実に軍備を増強し対中軍事行動も準備する台湾の外相。その外相がこうした高市発言を明確な対決姿勢と見て「心からの感謝」を表明している。

国際連帯で戦争を阻む

 しかし、高市政権の戦争政策と軍拡に対する市民の反撃は始まっている。

 米軍横須賀基地では市民が「日米首脳の軍拡表明を横須賀市民は拒否」と抗議行動。10月の自衛隊統合演習に、沖縄・琉球弧、九州、西日本、全国で市民の抗議行動が展開された。ミサイル弾薬庫反対の闘いは大分、京都などで広がっている。

 11月から12月にかけて、パレスチナ現地で闘うPPSF(パレスチナ人民闘争戦線)アローシュさんを迎えた国際連帯集会と、ZENKOスピーキングツアーが全国で開催される。

 日本政府・企業は、イスラエルのガザ停戦破りの攻撃を擁護するトランプと共にネタニヤフ政権を支え、F35の部品供給など虐殺加担を続けている。沖縄・琉球弧、全国の軍事化と戦争準備、大軍拡を進めている。

 こうした動きと真っ向から対決する連帯集会とツアーは、現場の闘いの報告を受けて連帯と反撃をさらに広げる場だ。大きく成功させよう。

 (11月2日)
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