2025年11月14日 1895号

【11・2パレスチナ映画祭/世界94か国 425都市 700か所以上で同時上映】

 11月2日はパレスチナに不条理を強いたバルフォア宣言(注)の出された日。パレスチナ民衆に連帯する映画祭が世界に呼びかけられ、日本でも、各地の上映会場とAFZ(アパルトヘイトフリーゾーン)Japan推進チームの共催で70か所以上開催。ZENKOなどが携わった上映も東京、大阪など6都府県10会場以上で行われ、連帯を広げた。

(注)バルフォア宣言/1917年に英国のバルフォア外相がシオニストに与えた、パレスチナの地でのユダヤ人国家建設への同意

団結まつりで上映会/何ができるか どう解決するか/東京

 東京では、団結まつりの「交流コーナー」の一つとして上映会が取り組まれた。

 難民キャンプの子どもの目を通して不正義、故郷への思いを描いた『ぼくの見えた道』、ヨルダン川西岸地区のジェニン難民キャンプのドキュメンタリー映画『ジェニン、ジェニン』の2本が上映された。

 上映後、感想交流会が行われた。「私に何ができるのかな、と思う。とにかくイスラエルと関係している企業のものは買わないとか、そのくらい。無力感でいっぱいです」「パレスチナ問題、どうしたら解決するのだろう? 皆さんの意見を聞こうと思って来た」「20年前30年前も同じような虐殺があった。イスラエルは『民間人は殺していない』と言うが、障がい者や高齢の方も殺されている。今も昔も変わらない。それを私たちも止められていない」

 パレスチナの惨状に接し、無力感に苛(さいな)まれながらもパレスチナの平和を切に願う心情が吐露された。上映会を実施した河辺友洋さんは「『壊されたらまた建てればいい。子どもがたくさん亡くなったが、またたくさん産めばいい』と。ドキュメンタリーの中のこの力強いメッセージに心を打たれた」と述べた。

 河辺さんらは足立区で12月13日、『ノー・アザー・ランド』の上映会を行う。


虐殺に見ぬふりできぬ/地域にパレスチナ連帯広げる/滋賀・大津

 滋賀の地でも11月2日、「パレスチナ・フィルムフェスティバル・IN大津」として、AFZに登録した団体が共催で行いました。

 『ジェニン、ジェニン』『ぼくの見えた道』『太陽の男たち』『Upshot』の4作品を上映。

 のべ50人の参加者が鑑賞。多くが4作品すべてを鑑賞し、映像に見入っておられ、パレスチナへの関心の高さが表れていました。

 2002年のイスラエル軍によるジェニン難民キャンプ侵攻時のパレスチナの人々の姿と声が描かれた『ジェニン、ジェニン』は、パレスチナの今の状況と重なるものでした。「自分たちに爆弾を浴びせ、強い武器を持つのは臆病だから」との少女の言葉に、諦めない意思を受け取りました。

 また『太陽の男たち』では、パレスチナ難民3人が給水車に隠れて脱出を試みるも、砂漠の太陽の下、灼熱の給水タンクの中で窒息死してしまいます。

 脱出を試みた3人が給水タンクの壁を叩く音は、70年以上も何世代にもわたり難民生活を余儀なくされてきたパレスチナ難民の声、という司会者からの説明も。

 「今、イスラエルがしていることに対して見て見ぬふりをするのではなく自分のこととして受け取り、パレスチナ連帯の気持ちがさらに強くなりました」との感想に地域の仲間にパレスチナ連帯を広げる上映会としての成功を実感しました。

(ZENKO滋賀・岩崎晴彦)


世界で日本で一斉に成功/上映にとりくみたい/大阪・枚方

 大阪・枚方市でも、全世界同時上映パレスチナ連帯企画「PALESTINE CINEMA DAYS Around the World 2025」が開かれ延べ70人余りが参加した。SNSや新聞、知人の紹介とさまざまなきっかけで集まった参加者には若者の姿も見られた。

 主催した「平和で豊かな枚方を市民みんなでつくる会」松昌子さんは「今日は世界94か国、425都市700以上の会場で開催されている中で、日本は世界で1番多く60以上の会場で上映されている」と報告。

 運動の呼びかけ団体Filmlab Palestine から日本のAFZ Japan 経由で送付されたガザの詩人リファアト・アルアリイール(イスラエルの空爆で殺害)の詩が読みあげられた。

 上映後、生きることが非常に厳しいパレスチナの声を伝える作品に衝撃を受けながらも、地域でパレスチナ映画の上映にとりくみたいとの声や感想を語る話の輪が広がり、感想用紙には「全世界で日本で一斉に上映されていることに感動しました」など大勢で見られたことへの感謝も。

 パレスチナから訪日するアローシュさんの話を11月16日ぜひ聞いてほしいとの訴えに、チケットを求める人もいた。

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