2025年11月14日 1895号

【厚労省は当事者の声を聴け/すべての生活保護利用者に謝罪と補償を/いのちのとりで裁判大決起集会】

 国による生活保護減額処分の取り消しを命じた6月27日の最高裁判決から4か月。厚生労働大臣は謝罪すらせず、専門委員会を立ち上げて決着済みの問題を蒸し返し、新たな引き下げを行おうとしている。

 「いのちのとりで裁判」の原告・弁護団・支援者らは10月28日、都内で大決起集会を開き、会場・オンライン合わせて1400人が参加した。

 原告4人が発言する。大阪の新垣(しんがき)敏夫さんは「大阪市議会で速やかな被害回復を求める意見書が全会一致で可決された」と報告。愛知の澤村彰さんは「厚労省との交渉は6回やっているが、1_も進んでいない」と憤った。

 「保護費が減らされたため、お風呂は冬でもシャワーだけ。灯油代も値上がりし、暖房の設定温度を下げたり日中は布団に入って過ごしたりした。あとは食べる量を減らす以外ない」と訴えるのは、北海道の鳴海真樹子さん。富山の村山和弘さんは「通っている介護施設の職員・利用者がとても喜んでくれた」と支援の広がりを伝えた。

 政党から「『さもしい顔して貰えるものは貰おうとか弱者のフリ』『生活保護を恥と思わない』とバッシングした人が首相や財務相に。大きな脅威だ」(れいわ新選組・木村英子参院議員)などの発言があった。

 POSSE代表理事・岩本奈々さんの「大学を回り、生存権が守られていない現実を伝えていくと『こんな問題、許されないよね』と活動に取り組んでくれる人が確実にいる。最高裁判決の際も30人ほどの新しく加わった学生とともに傍聴させてもらった」との連帯アピールに拍手が送られた。

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