2025年11月14日 1895号
【1896号 声明/ニューヨーク市長選挙/ゾーラン・マムダニ勝利は/民主主義的社会主義の展望を大きく切り開いた】
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11月4日投開票されたニューヨーク市長選でDSA(アメリカ民主主義的社会主義者)ゾーラン・マムダニ候補が勝利した。得票率は50・4%、対するクオモ候補41・6%であった。
私たちMDSはマムダニ勝利を祝う。この勝利は民主主義的社会主義の展望を大きく切り開くものである。
マムダニ候補は家賃凍結、市営バスの無料化、保育の無償化、最低賃金の引き上げ、年収100万ドル(約1億5千万円)以上の富裕層への2%の所得税増税、イスラエルのジェノサイド反対を掲げて闘った。
アメリカのグローバル資本は大金を使い、トランプ大統領はクオモを支持し、何としてもマムダニ当選を阻止しようとした。だが、当選を阻止できなかった。
マムダニは市民・労働者のための政策を掲げ、10万人以上の市民が選挙運動を担い、戸別訪問を繰り返し、支持者を獲得していった。グローバル資本主義の支配による生活悪化へのニューヨーク市民の怒りがトランプ政権の政策を拒否した。1LDKの家賃が4000ドル(約60万円)という状況に苦しむ市民の怒りがマムダニ勝利をもたらした。トランプ政権が全米で進めている弾圧にもかかわらず、市民生活の悪化とイスラエルのジェノサイドを支援する政権批判がマムダニ支持となった。移民を排除し、連邦職員を解雇し、大学を支配しようとしたトランプへの怒りが集中した。
まさに全世界のグローバル資本主義の中心地ニューヨーク市で民主主義的社会主義者が勝利したのである。
DSAは声明で「米国の社会主義運動にとって画期的な選挙勝利をかちとった」と述べた。トランプ政権は、ニュージャージー州、バージニア州知事選挙でも敗北した。トランプの政策に対する批判が高まりつつある。
この勝利はアメリカだけのものではない。
排外主義と軍拡をめざす極右は全世界で伸長している。ドイツのための選択肢(AfD)、フランス 国民連合(RN)、イギリスのリフォームUK、そして日本の高市政権、参政党などがはびこっている。かれらの台頭、支配を覆す闘いがいま世界で求められている。
その時、ニューヨーク市長選結果はグローバル資本主義と闘う世界の民主主義、社会主義運動を勇気づけた。ジェノサイドに苦しむパレスチナ市民を激励した。
DSAが言うように「私たちの運動は決定的な勝利をおさめたが真の闘いはこれから始まる」。トランプ政権は、補助金差し止めなどあらゆる手口でマムダニ新市政を妨害するであろう。しかし、マムダニが「今夜、あらゆる困難を乗り越え、かちとった。未来は私たちの手にある」と言うように、ニューヨーク市民と労働者はその政策を実現するために闘いぬくであろう。
私たちはDSAの闘いに深く学び、日本においても極右政権・政党の支配を打破して民主主義的社会主義に向かって前進していく。
2025年11月8日
MDS(民主主義的社会主義運動) |
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