2025年11月21日 1896号

【民主主義を貫きコミュニティーづくり/6年ぶりに開催した納涼祭は大盛況/豊岡市在住農業者 判田明夫】

 8月11日、豊岡市但東町にある唐川(からかわ)区で納涼祭りを6年ぶりに開催した。

 わたしは2025年度の唐川区(54軒)区長に就任した。2017年にUターンして、区の役員を務めながら、区に関わってきた。人口減少と高齢化、住民のほとんどが町外での就労。コミュニティーを維持するのが困難になってきている。区の運営は前例踏襲、区民に総会への案内は配るが、参加を働きかけない。女性や若者が排除されている。村を活性化したいという熱量が役員にほとんど感じられない。

 このような区の運営にかなりのうっぷんがたまっていた時に、Uさんの勝手な選挙運動(?)があり、区長に選出されてしまった。民主主義者として「やるべき点はやる」と腹をくくって、取り組み始めた。8月11日の納涼祭りはコミュニティーづくりのため全力で取り組んだ。   

 当日は92名の参加、花代(寄付)13万2千円(6年前の倍以上)。そして何よりも、実行委員会に若者4名(20代、30代)、女性や高齢クラブの方、熱量のある中堅どころ(中堅と言っても60代)が結集した。想定を超える力が発揮された。

 唐川タイムズ(区の機関誌)に投稿されたWさん(70代女性)の記事を紹介したい。

 「実行委員会は納涼祭本番まで3回、終了後の反省会を含めて4回もたれました。1回目の顔合わせの時、唐川にこのような若い方がおられたんだと驚きました。皆さんそれぞれの立場で熱く前向きに取り組まれている姿に感動し、とても新鮮でした。天気予報では開催日はどうやら雨模様という事で雨バージョンも想定しながら着々と進められました。(中略)納涼祭が近づくと神社に軽トラックが集まり、物品が運びこまれ、テントが組み立てられたりステージができたり看板が掲げられたり慌ただしくなった。結束力の強さを感じました。盆で帰省していた我が息子家族も納涼祭に参加させてもらいました。(中略)クライマックスの打ち上げ花火もどこよりも温かみがあり最高だった等の感想を持って金沢に帰りました。(中略)可愛い子ども達も大活躍で祭りを盛り上げてくれました。ありがとう」

 若者が住み続けたいと思う村づくりの方針(4月の総会で提案)の具体化に向け、結婚、出産、入学、引っ越し(唐川区への転居者に)の祝い金の新設、区民の誰もが役員に立候補できる役員選挙規定の改定を現在めざしている。

 小さな取り組みが、民主主義的社会主義の建設につながると信じて、民主主義を貫きたいと思う。



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