2025年12月19日 1900号
【ZENKOスピーキングツアー】
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止めよう 進む戦争準備/石垣島から全国から/広島集会
12月1日、広島集会では「石垣島の平和と自然を守る市民連絡会」事務局長の藤井幸子さんが報告した。
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戦後78年間基地の無かった石垣島に2023年3月陸上自衛隊石垣駐屯地が開設された。以来、警備部隊、地対艦ミサイル部隊、中距離地対空ミサイル部隊が配備され、島の軍事要塞化が一気に進んだ。来年には電子戦部隊配備も予定される。
石垣港が「特定利用空港・港湾」指定」とされ港の軍事利用も急速に拡大している。政府は「民生利用が主」と言うが、実際は自衛隊・海保・米軍が平時から空港・港湾を自在に使うための枠組みだ。今年に入って県内3か所の道路も指定された。その狙いは、基地(=駐屯地)が攻撃された時の代替拠点と弾薬・部隊輸送の補給路の確保だ。
同時に、自衛隊・米軍は市民行事や学校教育への接近を通じ、市民への浸透を強めている。防災訓練に陸自・米海兵隊が参加するなど、「防災」を名目とした軍事訓練も常態化しつつある。
今、島民の最大の不安は、戦争準備と一体で進む住民避難計画だ。避難先とされている九州各県でも基地や弾薬庫が増強され、有事となれば攻撃対象となる。民間機やフェリーでの移動も危険で実現性は低い。そもそも国が「武力攻撃予測事態」を認定すれば自衛隊は戦闘準備に入り、住民避難が優先される保証などない。補償制度も未整備で、計画は「絵に描いた餅」だ。
政府は戦争の「抑止力になる」としてミサイルを配備し、配備が済むと「抑止力でなく対処力」と戦争準備を強行する。軍事力で平和は築けない。これは全国の問題だ。主権者として共に抗議の声をあげよう。

世界自然遺産の平和な徳之島/軍事訓練は似合わない/兵庫集会
4日兵庫集会は、奄美の自然と平和を守る郡民会議・富純一さんが鹿児島県徳之島の軍事訓練を報告した。
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奄美大島近辺の7つの島には与論島、徳之島以外はすべて自衛隊基地がある。徳之島は人口2万人、畜産が主な産業の平和な島だ。
2019年から自衛隊の演習、23年から日米統合演習が行われ、24年に徳之島空港は特定利用空港に指定された。訓練は島内30か所で行われ、特にオスプレイ離発着訓練は騒音が耐えられない。使用された公園は10日間スポーツができず、芝生が離発着の高温で焼け、体育館は自衛隊が寝泊まりして使えない。
訓練の時は毎回抗議行動とともに、島の3町長に申し入れている。小さな行動でも起こせば地元の新聞の記事になる。30人ほどでスタンディングなどをし、表立って反対できないが応援しているとの声も聞かれる。
24年に井之川岳で希少種の植物が自衛隊の訓練で踏みにじられた。自然保護団体の事務局長は「なぜわざわざ世界自然遺産で、なのか」とコメントしている。
戦後8年間の信託統治からの復帰運動、40年前に核燃料再処理工場の設置反対でほとんどの住民が立ち上がった。島を踏み潰すことは許さないという反骨精神が受け継がれているのでは。
10年に普天間基地移設反対の1万5千人の集会が行われた。マスコミから、なぜ自衛隊の問題ではそうした大規模な反対にならないのかと問われるが、「攻められたらどうするのか」というのが町議会でも大勢を占めている現状だ。徳之島の3つの町議会はいずれも自衛隊誘致に動いているが、それを許さず反対運動を続けていきたい。

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