2025年12月19日 1900号

【戦争の爪痕・軍需産業に要請行動/鶴見線フィールドワーク/横浜】

 「平和と民主主義をともにつくる会・かながわ」は12月7日、「鶴見線フィールドワーク」を行った。

 鶴見線は横浜市鶴見区の鶴見駅から川崎市内の京浜工業地帯を結ぶ短い路線。戦争の爪痕や軍需企業、米軍施設を巡った。

 国道駅高架下のアーチ状の壁は、1930年開業以来の姿をとどめ、昭和≠フ雰囲気を醸し出している。何度も映画やドラマのロケに使われた。当時は商店が並び賑わっていたのだろうが、今は薄暗く、営業している店はない。

 その壁には米軍戦闘機マスタングによる機銃掃射の弾痕が残る。「ともにつくる会」の金森裕之さんは「戦争末期、歩いている人を標的に低空飛行で機銃掃射したようだ。面白半分だったのかも」と解説した。

 弁天橋駅にはJMU(ジャパンマリンユナイテッド)鶴見工場がある。JMUは護衛艦などの新造事業や修理、改造を行っている。2024年6月、英海軍哨戒艦スペイが接岸。在日米軍基地の実態を情報公開する「リムピース」が確認した。

 「ともにつくる会」は、JMU鶴見工場に「軍用艦の造船や修繕の受注停止」「自治体や地元住民に説明もなしに、外国軍の修繕を行う法的根拠」などを求めて要請行動を行った。軍事目標になるにも関わらず、近隣には多数の住民が暮らす。受付で要請書を担当者に届けるよう交渉したが受け取らず、後日郵送した。

 安善(あんぜん)駅には、航空機燃料を保管する大規模な米軍鶴見貯油施設が広大な土地を占領≠オている。周辺は重要土地規制法の注視区域。

 横浜市は、鶴見線沿線、横浜ノースドックなど戦争関連施設が存在する。「ともにつくる会」は、今後も危険性を訴えていく。

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