2025年12月26日 1901号

【ジェロニモさんに学んだ"本当を伝える対応"/事業を越え思いを共有/協同して働き 展望ひらくつどい】

 11月23日、「協同して働き 展望ひらくつどい」を開催しました。前半は、元ホテル支配人のジェロニモ・ゲレスさんのお話です。ガザ虐殺に関わりの深いイスラエル軍人の宿泊予約に対し、キャンセル依頼したことをきっかけにして解雇され、現在は解雇撤回裁判を闘っておられます。

 ジェロニモさんはお話の中で「別の方法はなかったのか?とよく聞かれます。例えば『満室になってしまった』などいくらでも予約を断る説明はできる。しかしそれはまず自分が嘘をつくことになり、結果その軍人は別のホテルに泊まるだけだし、自分の責任を他人に渡すことになる」「なぜ戦争犯罪に関わっている人のために私が嘘をつかないといけないのか。誰かがやってくれるだろうと考えるのは、ずるいこと。自分が分かっていることは自分でやらなければ」。そうした思いから、「本当のことを伝える対応をとった」と語りました。

 ジェロニモさんの誠実さに触れ、「自分の働き方が誰かを苦しめていないか」「業務としてだけの仕事になっていないか」など、働く意味を問い直す時間となりました。

つながった働くこと 社会

 後半の交流会では、ジェロニモさんのお話の感想や、仕事への思いなどを語り合いました。介護事業所で働く参加者から「ルール一辺倒ではなくその人にベストなケアを提供したい」「利用者さんが喜んでくれた時、その表情が緩む。そんな時にやりがいを感じる」など仕事に込めた思いや工夫についても共有され、労働者協同組合事業所が大切にしていることを具体的に知りあえる機会となりました。

 交流テーマ「感謝したいこと」でジェロニモさんは「裁判は待つ時間が長く考えすぎてしまう。皆さんの支えに助けられている」と支援への感謝を述べました。最後に、激励を込めてパレスチナ連帯バッジをジェロニモさんにお渡しし、連帯の意志を伝えました。

 今回の企画で、働くことと社会との強いつながりを感じ、より深い交流ができたと思います。今後も、協同の視点で学び合い励まし合える場所として継続して交流に取り組んでいきたいと思います。

(労働者協同組合運動交流会・菅井早苗)





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