2026年01月02日 1902号

【介護保険制度の破綻が迫る/利用料2割負担拡大に反対】

改訂のたびに改悪

 「介護の社会化」をうたい文句に2000年に始まった介護保険は、3年ごとに改訂される。そのたびに改悪され、要支援の生活支援が介護保険から外されるなど支援サービスが削られ続けた。また、1号被保険者(65歳以上)の保険料の基準額が当初の全国平均月額2911円から現在は6225円と2倍以上になり、今後も上がる見込みだ。

 27年度からの第10期に向けて改訂作業が進められている。政府は、現役世代の負担軽減のため高齢者の負担を増やすとして、高額療養費の上限切り上げや介護保険の改悪を進めている。

 24年の改定では、(1)利用料2割負担対象者の拡大(2)ケアプラン作成の有料化(3)要介護1、2の生活支援の介護保険外しが検討されたが、反対の声の広がりで導入が見送られ、27年度までに結論を得るとなった。

 25年6月の「骨太方針2025」は、結論を25年中にと前倒しした。厚生労働省は社会保障審議会介護保険部会を頻繁に開き、12月15日の部会で利用料2割負担対象拡大の数字を示した。

利用抑制効果

 最初は一律1割負担であった介護サービス利用料は、収入に応じてとの理由で、2〜3割負担が導入された。現在、負担基準の引き下げが焦点になっている。

 新たに2割にする年間収入について、現行の基準280万円以上を、260万円、250万円、240万円、230万円にする4案が提示された。

 これにより、最高で月2万2千円の負担増(厚労省試算)になる。そのため、当分の間、増額の限度を7千円とし、預貯金等が一定以下の利用者は申告により1割負担にする配慮措置を講じるという懐柔策が示されている。

 給付額の減少は、230万円でも総額で年間210億円、国負担削減額は50億円。260万円なら国負担額は20億円の削減だ。現役世代の負担軽減のためという建前の「効果」すらほとんどない。要は、2割負担対象の拡大からはじめて原則2割〜3割にしていく意図が見える。

 また、預貯金の申告で負担割合減免というのも、保険料や負担割合の基準に預貯金を入れる地ならしだ。

 12月5日に開かれた「ケア社会をつくる会」主催「ストップ!介護崩壊」緊急集会声明は「2割負担増は、利用抑制を招き利用者と事業者の共倒れを招きかねない」と指摘する。利用抑制は、要介護者の状態悪化を招き、かえって医療・介護費用を増やし介護離職者も増やす。現役世代にも高齢者にも犠牲を強いるものだ。

職員確保は賃上げで

 訪問介護報酬引き下げは、小規模事業者の経営悪化をもたらした。25年1月から11月までの訪問介護事業所の倒産は85件と過去最高となっている(東京商工リサーチ調べ)。

 ホームヘルパー・介護職の確保は緊急の課題だ。厚労省資料では、介護職の平均月額(賞与を含む)は30・3万円と全職種平均より8万3千円も低い。国も介護職員の給与引き上げの必要性を認めざるをえず、26年度から賃金の最高月1万9千円引き上げを提案した。だが、この程度の引き上げでは介護職員確保につながらない。最低でも全職種平均並みに8万3千円の引き上げが必要だ。国の負担による大幅賃上げの保障が欠かせない。


地域から反対の声を

 利用料負担割合の引き上げだけでなく、ケアプラン作成の有料化や要介護1、2の介護保険外しも引き続き狙われている。

 増大する軍事費の財源確保のための社会保障切り下げだ。軍事費を削り、大企業・富裕層に課税強化すれば、財源はある。

 自治体議会に、介護保険改悪反対を求める意見書採択を要請しよう。厚労省への改悪反対署名を集めよう。

 尊厳ある暮らしを連絡会は、なかまユニオン介護医療福祉支部と共催で「つながる介護のつどい」を呼びかけている。介護労働者と市民がつながり、連帯して大きく社会的課題とし、改悪を阻止しよう。 

(尊厳ある暮らしを連絡会・手塚隆寛)

つながる介護のつどい

◇1月18日(日)13時30分〜16時30分/大阪・箕面市立船場生涯学習センター(北大阪急行 箕面船場阪大前駅)/参加費500円
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