2026年01月02日 1902号

【ミリタリー/日本の軍需産業、株価爆上がり/死の商人をはびこらせていいのか】

 株取引の世界では、「高市銘柄」の株価が爆上がりだという。「高市銘柄」とは、高市政権が力を入れている政策分野に関連する会社の株を指す。例えば「防衛」やサイバーセキュリティ―、次世代エネルギー、宇宙技術などの分野に関連する銘柄。つまり軍事と密接に関連する企業のことだ。

 三菱重工や川崎重工はその筆頭。防衛省によると2024年度の調達品契約実績は、三菱重工が1兆4567億円、川崎重工が6383億円。いまだ武器輸出の「完全自由化」がされていない日本でこの売り上げ実績は相当なものだ。

 ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)が今年発表したデータによれば、24年度の軍事関連販売額のトップ10は、ロッキード・マーチン(米国)を筆頭にBAEシステムズ(英国、4位)、ロステック(ロシア、7位)、中国航空工業集団(8位)、中国電子科技集団(9位)―他はすべて米国企業―と続く。

 日本企業では、三菱重工が32位、川崎重工55位、富士通64位、三菱電機76位、NEC83位と百傑入りした。それ以外に、東芝、IHI(旧石川島播磨)、SUBARU、日立、沖電気、コマツ、ダイキン、ENEOS、出光興産など多種多様な企業が群がっている。

 これら日本の軍需業界はさらなる高みを目指す。最近ポーランドと147億6千万ドル(約2兆470億円)の兵器輸出契約を締結した韓国をお手本に「追いつけ追い越せ」の勢いである。すでに政府は、「防衛費」をGDP比2%に増額する数値目標を2年早める前倒しで、25年度の「防衛費」と関連費の総額が約11兆円になる補正予算を成立させた。

武器輸出も全面解禁

 次の一手は5類型(救難、輸送、警戒、監視、掃海に限定)の撤廃だ。5類型が撤廃されれば販路は飛躍的に海外に広がる。

 すでにオーストラリアから三菱重工の「もがみ型フリゲート艦」11隻分を受注。インドやインドネシア、フィリピンとも共同開発や日本製艦艇導入などで協議を進めている。これら、武器輸出をスムーズに進め、販路を拡大するために、あっさり5類型も投げ捨てる。また、ウクライナへの武器輸出を念頭に紛争中の国への輸出を禁ずる「3原則」の見直しも口にしだした。

 中国との軍事緊張激化が止まらない。否(いな)、止めようとしない。この緊張状態こそ、武器商売にとってぼろ儲けできるもっとも都合の良い環境だからだ。

 死の商人が大手を振るう社会であっていいのか。市民の一人ひとりに、問い続けなければならない。

 豆多敏紀
 平和と生活をむすぶ会

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