2026年01月23日 1904号
【未来への責任(425)/あらためて『あんにょん・サヨナラ』】
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12月19日、靖国合祀ノー(ノー!ハプサ)を訴える韓国の孫世代訴訟の第1回口頭弁論が東京地裁で開かれた。
原告である朴善Y(パクソニョプ)さんが意見陳述に立ち、祖父を日本に奪われたことで家族全体の運命が変わってしまったこと、1月に合祀取り消し要請のために靖国神社へ行った際に門前払いされ、植民地支配や侵略戦争を正当化する神社だと確信したことなど陳述した。最後に最近の情勢にふれ「東アジアの平和を脅かす日本の変化は、今後真の友人として生きていくべき私の子どもたちと日本の若者たちの未来を踏みにじる」と警鐘を鳴らしたことが印象深かった。
この日の夜は、2005年制作の映画『あんにょん・サヨナラ』上映会。この映画を見たことがきっかけで、現在のノーハプサ訴訟の弁護団やスタッフに参加している人もいる。私は出演者の一人としてトークに参加した。同じく映画に登場される韓国・李熙子(イヒジャ)さんとの再会を楽しみにしていた。しかし、ヒジャさんは4日後の12月23日にソウルで提訴する韓国での靖国訴訟準備のために欠席。
その訴訟について金英丸(キムヨンファン)さんは「韓国で日本政府を相手取って闘った慰安婦裁判では、国家とその財産は原則として外国の裁判権から免除されるという『主権免除』を退けて勝利した(2023年12月、ソウル高裁)。それを基に提訴し、靖国神社と日本政府相手に韓国内で闘う。法廷傍聴ツアーでソウルに来てください。ともに闘おう」と連帯を訴えられた。
映画は制作から20年経ち、映像に出てくる方の多くは既に鬼籍に入った。昨年5月古川佳子さん、9月には中谷康子さんが亡くなった。しかし映画から、日本の情勢は20年前と変わっていないことに全員が驚いた。「核を持つべきと主張する保守勢力」というナレーションがその象徴だ。キナ臭い戦争への圧力と、そうさせないとする平和を希求する民衆の力。今でも言える、映像の持つ普遍性があふれ出ていた。
私からはこの映画を作ったきっかけは2002年の「GUNGUN原告証言を映像に残すツアー」にあったことを紹介した。共同監督の加藤さんや、当時韓国に留学していた丁智恵さんがボランティア参加していたツアーの最後にヒジャさんが連れて行ってくれたのが、天安・望郷の丘にあるヒジャさんのお父さんの「名前のないお墓」だった。どうすれば日本の若い人の心にヒジャさんたちの悲しみ、怒り、憤りを届けることができるか、考えて制作したことを話した。
全編通して見たのは10年ぶりだったろうか。新鮮に見れたのは私だけではなかったようだ。上映後多くの人が「今に通じる」と感想を伝えてくれた。今の情勢に通じるのは残念ではあるが、この映画を見ていただくことで「気づき」や「行動」につながれば、作った側にとって本望だと思う。
(在韓軍人軍属裁判の要求実現を支援する会 古川雅基) |
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