2026年02月06日 1906号

【「議会を変える」/マイナカード推進のために 憲法違反の市民排除・分断は許されない/滋賀県大津市議 中川てつや】

 大津市でマイナンバーカード(以下、カード)を持っていないと、アプリのサービスを受けられない施策がはじまりました。

 10月にリリースされたアプリ「ポケットおおつ」は「防災情報」「おしらせ」「アンケート」「イベント」「ポイント」の5つがあります。「ポイント」機能は、市主催のイベントに参加するとポイントがたまり、抽選で電子マネーなどがもらえるものです。

 しかし、カードがないと「防災情報」を除く4つは使えません。大津市のカード保有率は79・2%(25年11月末)ですので、約7万1千人の市民が使えません。

 京都市はもっと強烈です。物価対策支援金のうち、45億円を使って市民一人あたり5千円分の地域ポイントを給付する事業が行われる予定ですが、給付を受け取るためにカードとスマホが必要というのです。京都市のカード保有率は74・9% (同)で、はなから34万人が物価高対策を受けられないことになります。京都市民は、この施策の差し止めを求める住民監査請求をしました。

 そもそも、カードの取得は番号法第17条の規定で任意とされています。持っても持たなくてもいいのです。同じ市民であり、納税者であるのに、任意であるカードを取得しないと情報取得やポイント、給付金付与が受けられない=行政サービスから排除されるのは極めて不平等です。政府の進めるカード保有を促す「市民カード化」への布石です。

 この施策は、憲法第13条(個人の尊重、幸福追求権)及び第14条(平等の原則)の侵害です。さらに、地方自治法第10条2項では「その属する普通地方公共団体の役務の提供をひとしく受ける権利を有」するとあります。任意のカードの取得の有無で、「ひとしく受ける権利」を制限することは許されません。こんなことを続けていけば、市民個人の権利を保障すべき行政責任はどんどん後退していくでしょう。

 私は、11月議会で議会内でただ一人質問・追及しました。今後とも誰でもが使えるアプリへの改善と、さらなる「市民カード化」事業が行われないよう監視を強めます。

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