2026年02月13日 1907号

【MDS集会/トランプ、高市の軍拡・排外主義路線と対決し、平和・民主主義、市民生活の改善を】

 MDS(民主主義的社会主義運動)は1月31日、集会を開催し、国内外の情勢とともに衆院選では日本共産党、市民と野党の共闘、社民党の候補を支持し闘う方針を示した。報告の概要を掲載する(まとめは編集部)。

ベネズエラ侵略

 1月3日、トランプ大統領はベネズエラを侵略した。攻撃直前に石油大手幹部に「準備せよ」とメールを出し(1/10日経)、侵略後にはベネズエラへの積極的投資を促した(1/11朝日)。まさに資源を武力で略奪する帝国主義侵略である。

 トランプの国家安全保障戦略は「非西半球の競争相手が、われわれの西半球に軍隊やその他の脅威となる能力を配置したり、戦略的に重要な資産を所有・支配したりする能力を否定する」というもの。

 これに基づき、次から次へと侵略を表明。「(コロンビアは)もう長くは続かない」「(メキシコは)我々が何か手を打たねばならない」。米国務長官ルビオをキューバ大統領にという案に「それはいい考えだ」。「我々はグリーンランドを必要としている」

 トランプの露骨な国際法違反の侵略はグローバル資本の利益のためである。これまで搾取により膨れ上がった利益を、さらにあげさせるためには、ベネズエラで石油を奪ったように資源を獲得することが必要である。軍拡を徹底しグローバル資本に市場を提供する。トランプ個人の欲望のためにベネズエラ侵略がなされたのではない。

パレスチナ支配

 ガザ和平計画の第2段階として「平和評議会」が発足した。トランプは議長として議決の拒否権、参加国の選定などの権限を持ち、国連の代替機関を目指そうとしている。トランプの「平和評議会」はイスラエル、アメリカによるパレスチナ占領支配を続けるためのものであり、国連を事実上解体するものである。

 PPSF(パレスチナ人民闘争戦線)は「ガザの再建を超え、単独で世界を統治しようとするアメリカ大統領の新たなモデルを押し付け、多国間主義にもとづく国際秩序を踏みにじり、国際機関を支配・空洞化し、単一の力が主導するあいまいな機構に置き換えようとする試みにほかならない」(1/25PPSF『人民闘争』)と批判している。

 我々はトランプの「平和評議会」に反対し、イスラエル軍完全撤退、パレスチナ国家樹立を目指し、連帯して闘わねばならない。高市政権が「平和評議会」に参加することを許してはならない。


高市の危険な政策

 高市首相は衆院解散の会見で、「半年近くに及ぶ国会で国論を二分するような大胆な政策、改革にも批判を恐れることなく果敢に挑戦していくためには、どうしても国民の皆様の信任も必要だ」と主張した。

 国論を二分する政策とは安全保障改革、インテリジェンス(情報収集、分析)機能の強化、外国人政策の厳格化である。

 すでに補正予算で軍事費はGDP比2%を達成。26年度予算案では9兆円を突破した。トランプは5%にしろといっている。この膨大な軍事費負担は4人家族で年100万円(GDP比5%)の負担となり、市民の生活が大きく悪化する。

 高市の軍拡はトランプに強要されたものではない。日本のグローバル資本が強く要求したものである。米国、中国、台湾、韓国などの資本との競争で後れを取っている日本資本にとって拡大する軍需は大きな利益の源である。

 スパイ防止法制定、対外情報庁創設、日本国国旗損壊罪制定、憲法改定。戦争体制の完成を意図しているのである。国際協力機構(JICA)は「多文化共生」という言葉をやめ、「異文化理解」との表現に変えさせた(1/23東京)。共生ではなく、排外主義を強めるものとなる。政府機関の隅々まで排外主義で統一しているのである。

インフレ対策こそ

 また高市は半導体、AIなどに資金を投じる。最先端半導体量産を目指す「ラピダス」に総額2・9兆円を投入する。露骨なグローバル資本優遇策を「責任ある積極財政」と標榜する。

 すでに国債残高はGDP比200%以上となりG7の中で最悪である。国債増発は日銀引き受けが拡大し、通貨量が増大しインフレ要因となる。円の信用低下により円安が進行、輸入物価が上昇しインフレを強める。国債価格が低下し、利子率が上昇する。歳出における国債費が増え、市民向け財政支出が圧縮される。



 今必要なことはインフレを止めるためにも大軍拡膨張予算をやめること、市民生活改善のために社会保障拡充、消費税廃止、教育完全無償化、社会保険料減額、公共住宅建設、家賃凍結などである。そのための財源は赤字国債ではなくグローバル資本、富裕層への課税強化で確保することだ。

 最大野党の中道改革連合は高市の軍拡路線と対決しない。原発については「安全性が確実に確認され、実効性のある退避計画があり、地元の合意が得られた原発の再稼働」を認めた。立憲民主党のこれまでの路線を変更し、集団的自衛権行使合憲、原発再稼働を進めるということである。中道改革連合は食品消費税恒久ゼロ、「生活者ファースト」というが、まさに第2自民党である。

 衆院選の対決点は大軍拡を許さず、市民生活の改善を進めるかどうかである。この点で明確なのは日本共産党、社民党である。共産党、市民と野党の共闘、社民党候補の当選をめざす。

変革の方向

 グローバル資本はもうけるが、市民労働者の生活はよくならない。トランプの支持率は就任時の47%から36%へと低下。ベネズエラ侵略の支持率は33%だ。トランプの帝国主義路線への疑問がアメリカ国内にも大きく存在するのである。

 トランプに対抗する最大の成果はニューヨーク市長選における民主主義的社会主義者マムダニの勝利である。マムダニはグローバル資本、資本家の負担で市民の生活を改善する方向を示した。マムダニ勝利をもたらした力はシアトルにも及び全米に広がりつつある。

 マムダニはトランプの排外主義、戦争侵略路線に反対し、グローバル資本を規制し民主主義的社会主義に進む展望を示した。中間選挙ではトランプを完全に追い詰めることになるだろう。

 トランプと同じように進もうとしている高市も支持率が低下しだした。資本家はもうけるが、市民生活は改善しないことを大きく市民に働きかけねばならない。高市を追放し民主主義的社会主義に進んでいこう。

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