2026年02月13日 1907号

【「議会を変える、市民と変える」/京都府向日市議 杉谷伸夫/「アリーナ着工ちょっと待った!」 市民の声にに向き合うことを求める】

 日本で3番目に小さな市である向日市に、1万人規模のアリーナ(屋内型スポーツ・イベント施設)を造る計画は、住民の不安をよそに3月から着工を迎えようとしている。

 京都府のアリーナ整備計画は、京都市の府立植物園隣接地に予定していた計画が市民の反対で頓挫したことを受け、向日市長が2023年6月に突然市への誘致を表明。翌24年3月に京都府知事が整備予定地に決定、同5月に施設の建設・運営事業者の募集開始と急ピッチで進められてきた。

 向日市へのアリーナの整備に期待する人も、そうでない人も、「この狭くて道路事情の悪い場所に、そんな大規模集客施設を造って大丈夫なのか?」というのが大半の市民の声だ。私もそうした疑問から「向日町競輪場再整備とアリーナ問題を考える会」を市民の方々と一緒に立ち上げ、京都府や向日市に説明を求めて取り組んできた。しかしこれまで、何ら疑問に答える対策、説明は無いままだ。

 基本的な問題の1つは、スケジュール最優先で向日市民の声は二の次であることだ。プロバスケットチームのホームアリーナとして、28年秋の開業が最優先になっている。

 2つめは、向日市の姿勢だ。「京都府の事業だから」を口実に、説明会など公の場に向日市は一切でてこない。市長は度重なる要請にもかかわらず、アリーナの会とも、最も深刻な環境被害を受ける近隣住民の方々とも、一切会わず話を聴こうとしない。市政が市民の声に直接向き合わない姿勢では、市民の不信が募る。

 京都府が着工に突き進む中で、このまま住民の声を無視して進められては困ると、昨秋には「近隣住民の生活環境を守る会」が結成された。工事車両や来場者のアクセスルートとなる京都市西京区でも、地元での説明会の開催を求めて「アリーナ問題を考える西京の会」が結成された。

 3月からの着工を控えた1月下旬、「アリーナ着工ちょっと待った!市民集会」が開催された。そして京都府と向日市に対して、工事着工を延期し市民の理解が得られる具体的かつ実効性のある対策を示すことなどを求める決議が採択された。3月1日には、建設予定地である競輪場前で「着工延期」をアピールするイベントが検討されている。

 3月5日から向日市議会の一般質問。市民集会に集まった皆さんの思いを凝縮して、市の姿勢を問い、市民に向き合う答弁を引き出したい。
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