2026年03月13日 1911号

【住まいの権利裁判/原告全員が怒りの証言】

 福島原発事故避難者の住まいの権利裁判第18回口頭弁論が2月25日、東京地裁で開かれ、前回に続いて5人の原告が証言した。家族の不幸で欠席の1人を除く10人全員が尋問に立った。

 住宅提供打ち切りに伴い福島県は相談会を開いたが、全員が「高い民間物件しか紹介されなかった」「いつ出ていくか迫られ、生活相談は聞いてもらえなかった」と批判。継続入居の契約書類は説明が一切なく、郵送されてきただけだ。

 「他に行き場がなく、継続入居にサインするしかなかった。1倍分は支払う意思を示していたのに」と、詐欺・取り立て屋まがいの県に怒りをぶつけた。県は提訴の際、「不法占拠者」扱いのように対象者の名前を晒(さら)して議会に提出。「個人情報なのになぜそこまでやるのか。避難者イジメだ」と指摘。県職員による家族宅訪問の強行には「事情を知らない母親には借金までして居座っていると映り、今でも断絶状態」と人権侵害を訴えた。

 「勤務中に『いつ引っ越すのか』と何度も電話してきて困ったので、メールでとお願いしたがダメだった」と不安を訴えた原告に、裁判官は「(その様子を)具体的に教えてほしい」と関心を寄せた。亡くなった原告の母親(いわき市)は訴訟を継承した経過について、「亡くなった後、退去・片付けの作業が遅れていたが、県から『家賃は発生していますからね』と言われた。もう、県とは話す気もしなかった。支援者と話し、子どもの意思を継いでみんなとやろうと思った」とはっきりと述べた。

 被告福島県側は前回同様、就労状況や月収を問うだけだった。次回は6月10日。
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