2025年03月21日 1863号

【1863号主張 パレスチナ停戦合意破壊許すな/戦争勢力止め平和構築へ】

合意破壊企てるイスラエル

 パレスチナ・ガザ地区の停戦合意第1段階は3月1日に終了。第2段階への移行をめぐる緊迫が続き、合意継続が危ぶまれている。

 恒久停戦を拒むイスラエルは、ハマスに「暫定的な停戦延長」を要求。ガザを封鎖して支援物資の搬入を止めている。イスラエルのコーヘン・エネルギー相は9日、ガザ地区への送電を即時停止するよう指示し、カッツ国防相は「これまでにない規模の力を敵は見ることになる」と空爆や攻撃の再開すら示唆している。

 ガザそしてヨルダン川西岸の市民の命を守るために、今こそ各国政府に対し戦争、虐殺加担をやめさせ、イスラエルへのBDS(ボイコット・投資引き揚げ・制裁)運動を強めなければいけない。停戦合意破壊を許さず、第2段階完全履行=イスラエル軍のガザからの完全撤退と恒久的な停戦を実現させよう。

東アジアで高まる緊張

 「日米共同訓練(アイアンフィスト)」(2/19〜3/7)に続き、「米韓合同演習(フリーダムシールド)」(3/10〜3/20)が実施される。その演習を前に韓国軍戦闘機が6日、ソウル近郊の住宅を誤爆し重傷者2人など15人が負傷する惨事を引き起こした。実戦でなくとも軍隊は市民の命を奪う。

 日本も戦争準備に前のめりだ。昨年9月、米国とウクライナ共催の多国間軍事演習「シーブリーズ」に日本の海上自衛隊が参加していたことが判明。派遣海域はウクライナ南部とクリミア半島に面し、戦闘地域同然といえる。また、日本の護衛艦が2月上旬、初めて単独で台湾海峡を通過した。中国との緊張をかきたてるまさに戦争挑発だ。

 軍事費のGDP比2%=11兆円規模への引き上げを進める日本政府に対し、コルビー米国防次官候補は上院軍事委員会公聴会の準備書面でGDP比3%超の引き上げを要求。NATO(北大西洋条約機構)にも同3%に目標を引き上げる動きがある。世界の軍事費は2024年、過去最大の380兆円と軍拡はすさまじい。アジアでも緊張はいっそう激化しており、現実に軍事衝突が起こりかねない。

大軍拡から根本的転換を

 大軍拡予算は、戦争に至らずとも医療、介護などくらしを圧迫する。軍拡・戦争路線の根本的な転換が必要だ。軍事費削減、大企業・富裕層課税強化で、医療・教育・社会保障の拡充、消費税減税を実現しよう。

 がん・難病患者団体や世論の反対が広がり、石破政権は高額療養費制度の負担上限引き上げ8月実施を凍結した。声を上げ闘えば変えられる。市民の運動を強め、石破自公政権とそれを補完する維新・国民民主をもろともに倒すときだ。世界の民衆と連帯して軍事化と戦争を止め、平和を創り出し、命とくらしを守る変革を迫ろう。

(3月9日)
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