2025年08月01日 1881号

【1881号主張 右翼の排外主義を許さない/民主主義的社会主義への展望を持ち 軍拡・生活破壊を阻止しよう】

自公の歴史的大敗

 7月20日投開票された参院選で自民党・公明党は大敗した。自公は改選の66議席から47議席に激減。非改選を合わせても122議席で過半数に達しなかった。

 これは自公政権による生活破壊の政策、裏金など腐敗政治が有権者からの批判を受けた結果である。石破政権は市民の不信任を突きつけられたのであり、退陣させなければならない。

危険な国民民主 参政

 しかし、有権者の自公NOの多くは、国民民主党、参政党という右翼政党への支持に向かった。国民民主は改選4議席から17議席に増やし、参政党は改選1議席から14議席となった。

 参政党は「日本人ファースト」を掲げ排外主義を主張した。フランスの国民連合(RN)、ドイツのための選択肢(AfD)など欧米の極右と同じ主張である。市民生活悪化、格差拡大への「対策」として排外主義を主張し、生活悪化をもたらしている元凶、グローバル資本主義を免罪するものだ。国民民主も「外国人の社会保険加入実態を調査し、運用の適正化」「外国人土地利用取得規制法の成立を目指す」と排外主義に同調する。高齢者に対して、国民民主は「尊厳死の法制化」、参政党は「終末期の延命措置医療費の全額自己負担化」を打ち出した。

 ともに、消費税減税あるいは廃止を主張するが、財源には触れず、軍事費削減、大企業・高額所得者への課税強化は言わない。

 かれらの主張は、市民の不満、怒りに対し、大資本を免罪し外国人、高齢者を生活破壊の原因に仕立て上げる。右派はSNSで敵を作り出し、憎悪感情を組織し、支持させる。ここに将来への希望、展望はない。

変革への展望

 こうした路線に対抗するために学ぶべき実例がある。

 参院選では、沖縄選挙区におけるオール沖縄・高良沙哉(たからさちか)さんの当選である。高良さんは当選後「平和の1議席のバトンを受け継ぐことができた」と語った。日本が軍拡に進む中で、それを許さない共同の闘いの中から生まれた勝利である。

 また、6月ニューヨーク市長選民主党予備選でのDSA(アメリカ民主主義的社会主義者)ゾーラン・マムダニ勝利である。パレスチナ連帯をはっきりと掲げる彼は、アパート家賃凍結、市営バス・保育無償化などを大企業、富裕層への課税で実現するとの政策を訴え、3万人以上のボランティアが160万軒を戸別訪問する運動の力で勝った。明らかに民主主義的社会主義を展望する政策を市民に直接訴え手にした勝利である。

 今必要なことは、軍拡と戦争に反対し、グローバル資本、資本家に負担をさせ、消費税を廃止し、基本的人権を守り平等を貫く民主主義的社会主義の展望を語って闘い、組織することである。

  (7月22日)
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