2026年03月13日 1911号

【1912号主張/311から15年 フクシマは終わらない/STOP高市政権の原発・核保有】

「福島」何一つ解決せず

 2011年3月11日の東京電力福島第一原発事故から15年を迎える。今なお2万6千人が全国に避難(2月1日現在、復興庁発表)。実際にはさらに多くの人びとが避難生活を続ける。

 甲状腺がん患者は、事故当時福島県内在住の18歳未満30万人の中から400人が見つかっている。18歳未満の甲状腺がんは通常は百万人に1人だが、福島では千人当たり1・3人の計算になる。通常の千倍もの異常発生は、原発事故を抜きにしては考えられない。

 被害者賠償・除染や廃炉・汚染水処理に東電が支出した金額はすでに23兆円にのぼる。政府・東電が2051年に終了予定とする廃炉の見通しは立たず、燃料デブリに直接触れた汚染水(ALPS〈アルプス〉処理水)はこの3月も海洋放出が続く。福島県を中心に、食品の放射能汚染も検出されている。フクシマ≠ヘ15年経った今もなお現在進行形だ。

原発復権はあり得ない

 政府が改定した第7次エネルギー基本計画は「原発依存度の低減」を削除し、最大限活用を打ち出した。

 今年に入り、ついに事故当事者の東電までが、県民投票条例制定署名に込められた14万3千筆の民意を無視し、柏崎刈羽(かりわ)原発(新潟県)6号機の再稼働を強行した。だが、その柏崎刈羽原発ではトラブルが相次ぐ。再稼働でも東電は経営が好転せず業務提携先を探さざるを得なくなった。

 中部電力浜岡原発(静岡県)をめぐっては、基準地震動に関するデータねつ造が発覚。原子力規制委員会の審査が止まった。原発推進勢力の隠ぺい・ごまかし体質もまったく変わらない。

 核のごみには行き場がない。政府が原発回帰の口実とするAI(人工知能)やデータセンターによる電力需要増加論に根拠がないことも知られつつある。

市民の闘いで止める

 司法も原発回帰を後押しする。国の責任を否定した最高裁「6・17不当判決」(2022年)後、各地の原発賠償訴訟すべてで国の責任が否定された。

 だが、区域外避難者の住宅追い出し裁判(1月)では、追い出しを容認した判決に対し、避難の権利を認める裁判長の反対意見が出された。運動の力が実現したものだ。この3月も、脱原発・廃炉を求め、全国各地で市民の闘いが続く。

 高市政権は、原発全面回帰にとどまらず、原子力潜水艦の保有や非核三原則の見直しまで主張する。核保有策動は原発回帰政策と水面下でつながる。それはイラン攻撃黙認・加担にみられる戦争推進路線と一体だ。

 イラン攻撃でも「核施設」は標的となり、その危険性が改めて示された。大軍拡反対、反戦と反原発の闘いの連帯で、高市政権退陣を迫る声を広げよう。再稼働・核保有阻止、全原発廃炉を実現しよう。

(3月8日)
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