2022年06月17日 1727号

【東アジアに平和を/ZENKOスピーキングツアー】

「台湾有事」でなく対話 外交で平和を/大阪集会

 6月5日ツアー最終の大阪集会には200人が参加。

 DSA(アメリカ民主主義的社会主義者)全国政治委員の2人がオンラインで報告。「ノーモア沖縄戦 命(ぬち)どぅ宝の会」共同代表・山城博治さんの講演を受け、ZENKOユース参加団in沖縄の参加者らが、平和に向けてがんばる思いを述べて応えた。

 カジノ住民投票署名運動から「ここから維新政治を変えられる」など地元のうれしい感想と確信を報告。政府に転換を迫る6・17ZENKO中央要請行動への参加も呼びかけられた。

 田中拓真ZENKO共同代表は「日米政府が中国脅威を煽る中で、非常に意義のある集会となった。国際連帯が軍事的緊張を止めていく大きな力となると確信した」とツアー全体をまとめた。(3面に関連記事


琉球弧の島じまを戦場にするな/神奈川集会

 神奈川集会(5/31)では、神奈川と東京・南部から地域の取り組みを報告。ZENKO南部は「東京23区で遺骨土砂の意見書が採択されたのは中野区だけ。南部から2番目の採択区をつくりたい」と決意を述べた。

 ZENKOユース参加団の一員として沖縄を訪れた青島みのりさんは「平和ガイドの方が『学校での平和学習を沖縄の子どもたちはどう感じているだろうか』とおっしゃった。歴史を知りたいという興味から学ばなくては、自分の中には入ってこない」と語る。

 新型コロナ被害者の会の岩本悠佑さんは「自主療養撤回要請に神奈川県は『県民の多様性とニーズに応えた』と回答。県民をばかにするな」。画家の山内若菜さんは、日中戦争の加害の歴史を銅版画に残した浜田知明の作品を紹介し、「絵描きは絵を描くと同時に、語るべき何かを見つけるべきだと思う」と話した。


島のどこにもミサイル基地いらない/石垣島に軍事基地をつくらせない市民連絡会 藤井幸子さん

 基地がなかった石垣島でのミサイル基地建設は2017年5月、防衛副大臣が来島し配置図案を示したことが発端。19年3月に着工が強行され、急ピッチで施設建設が進んでいる。

 配備されるミサイルは車両に載せて動き回る。島じゅうが標的になる。リスクを負うのは石垣市民だ。

 基地は私たちの暮らし、環境を破壊する。基地内からの排水計画は明らかにされず、汚染されれば取り返しがつかない。国の天然記念物、絶滅危惧種のカンムリワシなど貴重な動植物の生息も脅かされる。

 有権者の4割の署名を添えて直接請求した住民投票条例案は19年2月、市議会で否決。今年2月の市長選では、住民投票実施を掲げた市民共同候補が敗れた。

 しかし、世論調査では市民の意識は二分され、「わからない」という人が一定数占める。私たちはあきらめるわけにはいかない。

 これは自公政権の日米同盟優先、人権・地方自治を踏みにじる政治との闘い。基地周辺住民を監視する重要土地調査規制法を廃止する闘いも待ったなしだ。

 石垣島は芸能の島で、民謡も豊富。豊かな自然や文化をそのまま引き継いでいけるよう頑張りたい。


ノーモア沖縄戦 命(ぬち)どぅ宝の会 共同代表 山城博治さん/再び沖縄を戦場にする日本政府を許さない

 6月4日、半年ぶりに辺野古で大集会があった。800人が集まった。コロナ禍の下でも少人数で運動をつないできた。

 7月参院選、9月知事選を前に「コロナで傷んだ経済、医療を」と“基地より生活を”とキャンペーンが張られている。だが、平和と基地の問題で沖縄から声をあげなければ未来は拓けない。

 「復帰50年」。何がめでたいのか。「復帰」に込めた県民の願いは何も実現してない。日米共同声明(5/23)でバイデン大統領は「沖縄の貢献に感謝」、岸田首相は「抑止力を維持しながら基地負担軽減」と言った。許すまじ、差別だ。「台湾有事」で沖縄を再び戦場にするという。また地獄に突き落とす気か。腹の底から怒りがわく。

 なぜ中国の国内問題に自衛隊が介入するのか。敵中枢攻撃能力とは沖縄から北京やピョンヤンにミサイルを撃つことだ。ウクライナ戦争を見ればわかる。米国は参戦しない。軍需産業を潤すためにやっている。アジア人同士で戦わせることが眼目だ。米政府の戦略にのってはならない。

 中国のミサイル防衛能力からみれば軍事的に対抗できない。平和的外交で地域の安定をはかる以外にない。軍事に頼る政治家を追放し平和な社会を実現しよう。


DSA全国政治委員会/ジェニファー・ボーレンさん/基地閉鎖。被害補償を掲げるDSAに誇り

 全国政治委員として2期目になる。母が神奈川県鎌倉市出身。人種差別を身近に感じている。

 DSAはすべての州に支部があり250支部、他に若者のYDSA100支部がある。会員は10代から80代まで、10万人近くなった。

 私はバーニー・サンダースの大統領選の時(2017年)DSAに入った。

 18年、サンフランシスコ市で住宅を追い出される人びとの権利擁護の法案を成立させた。居住権は基本的権利の一つだ。他の地域にも波及し、多くの人がDSAに入った。

 DSAは米軍海外基地の閉鎖、基地被害の補償を主張している。世界的な反戦運動拡大によってのみ軍拡をとめ、辺野古新基地建設をとめることができる。沖縄の闘いに連帯し、沖縄の人びとが自分の土地を奪還するまで闘い続ける決意だ。


DSA全国政治委員会/ジェン・マッキニーさん/米帝国主義と闘い社会主義実現を

 17年に加盟。オレゴン州ユージーン支部の建設に尽力した。新自由主義が押しつける超個人主義や疎外の文化に対抗し集団的民主的組織を建設する闘いだった。

 DSAは様々な課題に取り組んでいる。

 公共財産としての医療の確立。病気になっても医者にかかるかどうか決断を迫られる。居住の正義委員会は賃貸者組合を建設し不動産資本の攻撃と闘っている。社会主義労働委員会では産業を越えた労働者の闘いを組織している。明日(6/6)メジャーリーグでプレイするDSAメンバーを交え労働者の権利についての会議がある。グリーンニューディール。真に公平な持続可能な経済への移行をめざす。それには最大のCO2排出者軍産複合体と闘い、米帝国の解体が必要だ。

 米帝国主義のただ中の社会主義者として、地球規模での展望である社会主義実現に向け闘いを続けていく。

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