2024年08月02日 1832号
【改めて問い直すコロナワクチン/ワクチン接種は多数の死亡者を出している/医療問題研究会 山本英彦医師】
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昨年5月9日以降、新型コロナウイルス感染症(COVID19感染症、以下新型コロナ)は2類感染相当から5類相当となり、日ごとの全数報告ではなく定点医療機関からの週ごとの報告に変わった。厚生労働省発表(7/14)では10週連続増加して定点当たり11・18人に。で「お盆明けには昨年以上の流行のおそれ」(7/18東京新聞)と報じられている。
2019年12月中国から始まった新型コロナ。日本では20年1月に初発感染者が発症して以降、24年4月までに感染者数のべ3000万人台と推定され、20〜23年の累計死者数は10万5950人(6/5厚労省)だ。感染拡大が続く中、厚労省は新型コロナワクチンの秋の高齢者等有料定期接種を呼びかけるが、実は「有効」とされたコロナワクチンによって市民の側が多大な被害を被ったのである。
感染も重症化も防止できず
新型コロナワクチンは、厚労省が言うように感染予防、重症化予防に有効だったのだろうか。
感染予防については、21年の世界的な接種開始当時より、各国に先駆けて大規模接種を進めたイスラエルで感染減少がなかった事実を皮切りに、英国、北欧諸国で疑問視する研究結果が続いた。重症化防止も、米ワシントン州保健当局の大規模調査(本紙1760号)など効果のない事実が明らかとなる。現在、米日カナダなどを除く多くの国では、健康な子どもへの接種は中止または推奨せず、健康な成人への接種は22年秋以降ほぼとまっている。国際保健機関(WHO)もそれらは推奨せずと勧告した(3/29)。<医療問題研究会ホームページ参照>
そのなかで、リスクに目をつむり世界一のワクチン接種率となった後で世界一の新型コロナ流行国となってもワクチン以外の方策を持たないのが日本である。22年7月には、国立感染症研究所疫学部門のトップ鈴木基氏もワクチン効果の評価に接種回数はあてにならないとの結論を発表。有効性がないことは、日本でも明らかになってきている。
かつてない接種後死亡が起きた
無益であるだけでなく、その有害作用も広く知られ始めた。新型コロナワクチンでは、今までのワクチンに類を見ない接種後の死亡被害が起き、現在も増加している事実である。
ワクチン健康被害の救済制度の下で、21年8月〜24年2月でコロナワクチン接種後の死亡では493件が認定されている。制度が始まった1977年から21年12月まで44年間のコロナを除く全ワクチンの死亡認定151件をはるかに上回る異常な数字だ。しかも厳しい申請と認定条件の中、氷山の一角と見るべきだ。
コロナワクチン接種とこの接種後死亡との間にきわめて高い関連があることを改めて強調したい。
21年2月にワクチン接種が開始されてから、24年4月15日第101回厚生科学審議会(予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、以下審議会)までの約3年間にわたって、ワクチン製造業者と接種医療機関から死亡者のデータなどが提出されている。これについて「専門家評価」では、因果関係が否定できない=α、認められない=β、評価不能=γと分類され、99%以上がγとなっている。99%以上判定不能というのは、妥当なのだろうか。
まず、24年4月までのワクチン接種後の死亡件数報告は2020人(39歳以下116人、40〜64歳291人、65〜79歳587人、80歳以上1007人、年齢不明19人)。この2020人の接種から死亡原因と推定される症状出現までの推定日数は(表1)の通りだ。
接種当日発熱、翌日亡くなっているのが確認された例など接種1日後の死亡が最も多い。接種一週間以内の症状出現者が死亡者の59%を占める。この多さは、他の原因の紛れ込みでなく、ワクチン接種が死因であることを強く示唆する。
24年1月までの審議会のまとめでは、39歳以下で少なくとも医療機関に運ばれ死亡が確認された人の43%が解剖されている(表2)。この解剖の率(剖検率)は、救急医療機関の代表的存在である神戸中央市民病院で同じ基準による剖検率が23年で3・6%、大阪大学救命救急センターの7・2%と比べると、驚くべき数字である。搬送先の医療機関にとって死亡が予期しない、突発的な事態であったことがわかる。
こうした解剖で、副反応として多数を占める心筋炎関連の死亡であるのに、ワクチンが死亡の原因かどうかを判断するはずの「専門家」が捻じ曲げて評価不能と判断した例は多い。
例えば、ワクチン接種の8日後いったん心停止となり、接種36日後脳死状態のまま死亡した24歳の男性について、「専門家」はもともとあった心臓弁膜症が心停止の原因である可能性が否定できないとした。ここには、接種から症状出現までの時間が長いとして解剖の結果を無視しようという思惑と、ワクチンが原因であることを隠そうとする傾向がうかがえる。
これと対照的に、審議会(4/15)までのα判定2件のうち、39歳以下で唯一α判定となった14歳女子の例がある。3回目のワクチン接種翌日、38度弱の発熱後解熱。翌々日の朝、心停止となり家族に発見された。後に徳島医大が学会雑誌に発表し、「専門家」がワクチン接種が原因とせざるを得なかった例だ。
こうした例から、死亡例に限らず、ワクチン接種後の副反応と思われる健康被害の詳細な症例経過調査が求められる。
膨大なワクチン接種と超過死亡増加
ワクチン接種による国内の死亡への影響は統計上も明らかになってきている。
ワクチン接種が大規模となった22年の「超過死亡」(平年から想定される水準よりも多い死亡)は戦後最高の12万2千人で、新型コロナによる死亡者(4万8千人)よりもはるかに多い。ワクチンの有害作用との関連が推定されることは、24年日本小児科学会通常総会への医療問題研究会など小児科医有志の配布資料(表3)をはじめ、多くの医師・研究者が指摘している。
さらに個別の死因からも見よう。例として、心筋炎関連の死亡(心筋症、不整脈/刺激伝導障害、心不全、その他の心疾患)に対するワクチンの影響について、ワクチン開始前の18〜20年と、21〜23年の心筋炎死亡を比較した。最も対照との差(リスク比)が高い「不整脈及び刺激伝導障害」をまとめると、0〜39歳のリスク比が1・10、40〜64歳、65〜79歳が1・12、80歳以上が1・05と、いずれの年齢でも21〜23年で高くなった(表4)。全体の人口が多いため、1・1というリスク比は統計上意味のある(有意)差である。
心筋炎以外でも死因分類の各項目について(例えば脳梗塞、心筋梗塞、外因による死亡など)死亡率を計算することで、年ごとの比較によるワクチンの影響を評価することができる。
岸田政権・厚労省の側は必要な情報を隠そうとし、正確な判断を困難にしているが、情報を掘り起こしつつ、開示を求める運動と連携することが必要だ。被害の申請・補償と責任追及を両輪として、危険なワクチン接種一辺倒の方策を転換させなければならない。
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5年にわたるコロナ感染拡大の中、コロナワクチンで市民は多大な被害を被った。それは、明らかにグローバル企業の意を受けて作られた「政策」の結果だ。膨大なワクチン被害を救済するとともに、有害無益なワクチン接種はやめ、必要な検査・医療態勢充実にこそ力を注ぐべきである。 |
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