2020年12月18日 1654号

【東アジアに平和を ZENKOスピーキングツアー/沖縄新基地をつくるな/軍事費を削れ、コロナに回せ/全国6都市で 大阪ではデモ】

 「東アジアに平和を」スピーキングツアー(主催―平和と民主主義をめざす全国交歓会=ZENKO)が11月29日横浜(前号既報)からスタートし、広島(12月1日)、那覇(3日)、兵庫・西宮(4日)、京都(5日)をへて大阪(6日)でゴールした(広島那覇別掲)。

 スピーカーの奥間政則さんは、土木技術者の視点から辺野古新基地建設をめぐる最新情報を紹介した(前号に概要)。奥間さんは「大阪都構想否決のニュースは沖縄でも注目を集めた」と語る。権力の弾圧に屈せず闘う全日建連帯労働組合関西生コン支部からの連帯のあいさつに「励まされる」と応じた。沖縄基地問題が全国から注目されることを願い、弾圧に屈せず闘い続けることの表明だった。

 基地反対の闘いは、軟弱地盤対策など設計変更をめぐる攻防を迎える。奥間さんは「設計変更への意見書が全国から集まったことが力になっている」と支援連帯のさらなる強化を訴えた。

 これに応える取り組みが各会場で報告された。

 京都では、沖縄の民意を尊重せよとの意見書を何度も採択した向日(むこう)市の杉谷伸夫市議が「例年の沖縄写真展がコロナで中止。かわりに戸別訪問で沖縄へのメッセージを集めた」と横断幕を紹介した。

 ZENKOの青年グループは来年1月、沖縄現地の闘いに参加し、戦跡を訪れる「平和参加団」の企画を紹介。コロナのため参加できない韓国の青年ともリモート交流の場を持つ。

 東アジアの平和を築くためには韓国の闘いとの連帯は欠かせない。西宮では、今も続く植民地差別に向き合う企画として、民族教育の重要性を描いた映画『ニジノキセキ』上映会(10/3)が報告された。来年3月には『沖縄スパイ戦史』上映会に取り組み、基地反対運動の広がりをめざす。

日韓連帯で平和宣言署名

 大阪では、韓国・対案文化連帯のユ・ミヒさんがリモートで「朝鮮半島終戦平和宣言署名」への協力を訴えた。朝鮮戦争勃発・休戦から70年目となる2020年から23年にかけて、全世界で1億人の署名を集め、各国政府と国連に提出しようという国際平和運動だ。すでに韓国361団体と世界51団体がキャンペーンに参加している。ZENKOもその一つ。携帯から署名できるサイトも紹介された。

 韓国でも新型コロナ感染は拡大している。文在寅(ムンジェイン)政権は「密」を避けるよう国民に呼びかけながら、大量の密集した警察力でソソンリのサードミサイル基地に資材配備を強行。住民は阻止のために座り込み「国民ではないのか」と叫ぶ。最新映像が上映された。

 一時、軍事費を削ってコロナ対策に回した文政権だが、市民を裏切る暴挙。日本政府も、コロナ感染拡大防止に全く策を講じず、軍事費拡大をやめない。「軍事費を削れ」と「コロナ対策に回せ」の要求は、命を守る闘いとして表裏をなす。

 集会の行動提起にも、PCR検査拡大や医療体制拡充、休業補償、解雇禁止を求め、署名や自治体交渉を進めることが掲げられた。多くの自治体交渉で行政の対応を変えつつある。

 大阪集会参加者は終了後、「武力なき世界を」とデモで市民にアピールした。





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